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H.H.

ドミニカの珈琲事情


コーヒー好きのみなさま、こんにちは。

日に日に暑さの増す季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか?

1958(昭和33)年に、19歳でドミニカ共和国に移民してから今年の6月で58年となりました。

58年間、私のすべてを費やしてきたといっても過言ではない、「コーヒー」という魅惑的な飲み物について、今日はドミニカコーヒーの事情という観点から徒然とお送りしたいと思います。

(前もって、長文となりますことお断りいたしますね。あしからず。)

コーヒーが「魅惑的」とはどういうことでしょうか。

実は、珈琲豆が人間の手によって栽培されるようになってから約400年もの時を経て、コーヒーの採れない国(日本など)でも日常的に飲まれるようになったにも関わらず、未だその正体については解明されていない部分が多いのです。

ドミニカにコーヒーをもたらしたきっかけとなったのは、言わずもがな、新大陸の発見者クリストバル・コロンブスですが、彼は新大陸とは気づかずに上陸した土地を「カリブの楽園」とし、 大自然と精霊に守られたこの島(イスパニョーラ島)をこよなく愛したと言われています。

これは私の個人的な考えですが、何よりコロンブスのこの想いが当時の世の中を大航海時代へと率い、人類の急激な躍進へと繋がっていったのではないかと・・。

そしてコロンブス同様、カリブの楽園に魅せられたフランス国王ルイ14世は、オランダから献上され、自ら育てたコーヒーをカリブ海の島々へもたらせたそうです。

遠いアフリカのエチオピアから歴史の流れと共に長い旅を経て、ドミニカに成ったコーヒーの歴史、なんともいえないロマンを感じませんか?

経路は違えど地球の反対側である日本から、同じように船で長旅を経て、図らずもドミニカ共和国という楽園にたどり着いた私は、すぐにコーヒーの虜となり、以来このこだわりのコーヒーを日本でも美味しく愉しんでもらうべく日々コーヒーと向き合ってきた次第です。

ドミニカ産の珈琲が日本でも単一農家の生産するグルメ向けのものとして人気が出始めたのはドミニカ珈琲を愛して来た者にとって嬉しい事であるこの機会にこの場で少しドミニカコーヒーの事情を私なりに語りたいと思います。

さて、イントロダクションが長くなってしまいましたが、ここでようやく、ドミニカ共和国のコーヒーについてご紹介しましょう。

(学問的ではなく、コーヒー生産の現場にて培った親父のアナログな知識・手法として読んでいただけますと嬉しく思います。)

まず、ドミニカ共和国の珈琲は大きく分けて4つに区分されています:

1. 西部: Barahona - Bahoruco

バオルコ山脈を中心にしたイスパニョーラ島の南西部からハイチとの国境・ペデルナレス地方まで。

標高は400m~1600mくらいまでがティピカ種が多い地帯。

2. 南~中央: Bani-Azua & Ocoa

バニ、アスア、サン・クリストバル、サン・ホセ・デ・オコア、ランチョ・アリーバ地方。

標高は1500mくらいまで広がっていて、カトゥーラ種/アラビカが多くティピカとは香りと酸味で開きがあるがソフトな味。アメリカ市場で人気。

3. 中央山脈一帯:  Cibao Altura

コンスタンサ、マナバオ、サン・ホセ・デ・ラス・マタス、サンティアゴ・ロドリーゲなどの地方が主な産地。

800m~1600m位の高山珈琲で有名。

アラビカ種の特徴が善く出ている珈琲で、黄色カトゥアイ種もある。

4. 中央: Cibao

ドミニカ共和国の穀倉地帯シバオ平原から太平洋がに向かって走る、セプテントリオーナル山脈一帯に位置。

標高300m~1200m。

一帯に産する珈琲はアラビカ種で酸味があり、また、古い農園にはティピカもある。

次に、それぞれの銘柄や特徴についてですが、さらに長くなりそうですの、「第2弾」として別の記事にて紹介させていただきますね。

なんだか中途半端な終わりで失礼いたします。

Hasta pronto!(またすぐにお会いしましょう!)


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